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東急リニューアル株式会社様

2024.07.17
東急リニューアル株式会社様

2024年4月、建設業界の「働き方改革関連法」は一般の企業から5年遅れで施行されました。他の企業は既に労働時間の上限規制がされていたこともあり、遅れをとった建設業の人手不足は深刻化しています。帝国データバンクによれば2024年上半期、人手不足に関連する倒産件数は前年比1.6倍のペースで増えています。働き方改革の5年遅れのスタートは、他業界から遅れを取ったと言わざるを得ません。

その様な状況の中でも、以前から危機感を持って取り組まれているのが今日ご紹介する「東急リニューアル株式会社(以下東急R)様」です。

東急R様と弊社は、長らくお付き合いいただいています。

最初のきっかけは、2016年の女性活躍推進法施行の際に、当時東急建設株式会社の人事部にいらっしゃった柴田様と、弊社天野が行動計画を共に作成したことです。当時、天野は弊社の設立前で、外部のコンサルタントとして東急建設株式会社様に常駐しての作業でした。

本日は改めて東急リニューアル株式会社 人事部長の柴田様にインタビューさせていただきました。

東急リニューアル株式会社 ご担当者様の声

今、人事ではどのような課題があると感じていらっしゃいますか?

最も重要な課題は人材確保なので、採用を重視していますが、新卒も中途も非常に厳しい状況にあります。

一方で、業績に関しては、サステナビリティや脱炭素といった観点から、「スクラップ&ビルドよりも、リニューアルで」といった社会変化の追い風もあり、おかげさまで多くのリニューアルを検討される方からご発注をいただいております。弊社は今後もお客様のご要望に応え続けていく姿勢です。

ーなるほどそれは忙しそうです。人手はどうでしょう?

そもそも建設業は常に人手不足の業界なのに、更なる人手不足が進んでいます。業界を希望する新卒はスーパーゼネコンとなどの大手が強く、中小はなかなか厳しい状況で、加えて建築出身でもITや外資の保険会社など別業界に就職してしまう方も多いです。なので、大手と同様の福利厚生制度、給与の充実、評価制度、労働時間削減などの制度を充実させ、出身業界の幅も広げ、キャリア採用や非正規雇用の社員登用などあらゆる手立てを考え、施策を実施しています。

様々な取り組みの中で、どのような取組が採用や継続就労に繋がっていると感じますか?

内定者からは、入社の決め手の一つとして「他社と比較して制度が充実している」という声を聞きます。東急建設と同等レベルの制度なこともあり、キャリア採用、特に建設業界出身の社員からは「人事制度や評価が大手並みに整っていて、想像以上に働きやすい。」と、驚きの声をよく耳にします。

ー具体的には?

例えば弊社は働き方改革に力を入れています。今年度から建設業界も適用になった36協定の上限規制に対して、プロジェクトチームを発足させ、時間外労働の削減に取り組んでいます。労働時間は、社員自らが自主管理し、上司は全体のタイムマネジメントを行います。キャリア採用の社員からは、『上司から「〇〇さんは、残業時間が多すぎるのでは?」なんて、建築人生でこれまで聞いたことがなかった(笑)』という話も聞きました。

ーこの業界は長時間労働の傾向が強いですからね。他に評価の高いものがありますか?

福利厚生制度の充実ですね。具体的には、地方出身者が帰省する際の交通費の一部を会社が負担する制度があるのですが、これは評判がいいですね。

また、『カフェテリアプラン』という“社員のライフサイクルに応じてフレキシブルで公平に利用できる補助”があります。若手には自己啓発に、子育て世代には育児費の一部や学費の一部に、また、介護が始まる世代には介護補助に利用していただいている制度です。でも、一番は近年劇的に変革した「人事評価制度」です。まだ始まったばかりで、疑心暗鬼な面もありますが(笑)社員からの期待を感じています。

ー具体的には?

人事制度改革に着手した当時、ヒアリングでは一部の社員から『わが社に人事制度なんてあったの?』と、聞かれるような状況でした。評価制度も上司が一方的に評価し、フィードバックも行われていなかったのです。

そこで、『評価制度』の中に、“目標設定”と“自己評価”を加えることにより、社員の納得度を高めることにしました。

また、目標面談/評価面談を通じて、事業部門ごとに会社の求める「人材像」や「業務遂行能力」をまとめ提示しました。

どのような基準で評価されるのかを上司と部下の間で合意し、社員の自己評価に基づいた評価面談が実施される制度としたことで、上司と部下の接点が増え「期待を明確に伝える」という上司の責任がうまれました。

その結果、「育成」する要素が多く含まれることとなり、教育的側面を持つ制度になりました。

ー一言でいうと?

一言でいうなら、社員全員が「目標は自らが設定し、会社はそれを評価するための教育を実施する」ということです。

これまでは「上司は何を評価してくれて、何を評価しないのかわからない」といった部下と、「何が評価されるかぐらいわかっているだろう」と考える上司の間で、ズレがありました。

部下は、目標を設定するためには、「何のためにこの会社で働くのか?」「何を実現したくてこの仕事をするのか?」という自分で目標を考える必要がでてきましたが、実はこれが簡単なようで難しい。

上司の方も、部下に「こうあって欲しい」という想いをどう伝えるとよいのか、どうやって部下の目標設定に合意するのか、コミュニケーションやリーダーシップに悩みがありました。

そこで、「評価制度」に関する研修を全社員に実施し、「求める人材像」に関する研修として、部下にはキャリアビジョン研修やリーダーシップ研修を、上司には労働管理研修やタイムマネジメント研修を企画しています。

こうやって聞くと、当たり前で普通の事のように思われるかもしれませんが、今まで何も整備されていなかった中小企業が、ここまでちゃんとやるのは実は結構大変なんです。

ーやらされ感の仕事をさせないために、キャリアビジョンは全ての人に必要ですよね。

そうなんですよ!自分が何者で、自分は何をしたいのか?といった自己理解がないと、主体性を持って仕事に取り組めないんです。キャリアビジョンや自己理解は時間がかかりますが、Reo社(Respect each other)で実施してくれたキャリアビジョン研修で考えるきっかけができ、自己理解が深まり、主体性があがってきていると感じます。

改革の取組をされてきて、くじけそうになったり折れそうになった出来事があれば教えてください

挫けそうになることばかりでしたよ!(笑)

私が着任してからベースアップも3回実施しましたし、コンプライアンスをなんとかしろ!と言われれば、イーランニング、研修もやりますし、男性の育休取得促進に法律が変わったのに、みんなに関心がないのをどうやって進めたらいいのか?というのも作戦を立て実行し、今は男性育休取得率100%です。

本当に様々な取り組みをやってきたんですが、一番挫けそうだったのは、私達人事が評価されない事でした。人事部門=すなわち間接部門はやって当たり前だ。と。もちろん、現場あってのビジネスなのですが、私達間接部門だって、ちゃんと評価してもらわないと、自分だけでなく部下のモチベーションに関わります。

ー仕事をちゃんとやったら、認めて欲しいですよね。その気持ちをどうやってそれを乗り越えてきましたか?

直談判しました(笑)

ーえ?社長にですか?

そうです。社長面談の際や、酒席の際でも事あるごとに「命じたことの評価は必要です!仮に簡単な飲み会段取りであっても、業務命令なのであれば正当に評価しないと、事務系社員の意欲は低減しますよ。」と、申し上げています。

「利益額」「受注額」といった計測可能な評価基準がある現場や営業と比べ、事務系は計測できない業務がとても多くあります。それ故に、事務系の業務に対する明確な評価基準を示さないと、働くモチベーションが下がり、支援する事務系社員の人材流出につながるリスクとなります。

「仮に「宴席の幹事をやれ」という指示であっても評価せずに“やらせる”だけは、労働力の搾取であり広義の意味ではパワハラです」

と経営層であれ、管理職であれ、部下であれ、機会があるごとに様々な場面で伝えています。

弊社Reoと相談窓口の設置・男性の育休相談・コンプライアンス研修・行動計画の策定・キャリアビジョン研修など、毎年色々な取り組みに挑戦頂いていますが、印象に残っていることがあれば教えてください

色々ありますが、一番は2021年12月に実施した社長へのインタビューですね。それまで男性の育休取得者0人の会社でしたから、Reo社の提案で男性育休取得促進のためにトップインタビューをポータルサイトに掲載しようとなりました。
正直、社長はよくある定型文のようなことを言うのかな?と思っていましたが、天野さんがインタビュアーとなって、話を引き出してくださり、社長が若かりし頃に受けた当時の上司の反応(今でいうならパタニティハラスメント)の話が出てきた時には、とても驚きました。私も含め、誰も聞いたことのない話だったのです。あのインタビューは「我々は、男性の育休取得促進をしたいのだ」という社長の本気が伝わってきましたし、自分たちもアクセルを踏んでよいのだ、という確信を抱くことができましたよね。

ー確かに!あれは私も印象深かったです。社長が本音で話してくださったと感じました。

他にもありますか?

Reo社実施のコンプライアンス研修で、建設業で起こり得るコンプライアンス違反の事例を使ったワークは唸りましたね。

コンプラ事例をどれにするか一緒に検討し、他社で最近実際に起きた事例を調べ上げて、どの施工段階で発覚したのか、どの段階で気づけたか?それをどうして言い出せなかったのか?といった事を思考を深め、ディスカッションさせました。

実際、天野さんは建設現場に詳しいので、言葉一つ一つが響き、リアリティを持って社員も取り組めたと思います。

次の日、総務に電池をとりに来た社員が「これは現場カメラ用の電池だからいいよね?」と、わざわざ確認しに来たのには、効果がありすぎてなんとも笑ってしまいました。

(コンプライアンス研修の中に、業務上横領の認知の歪みは「電池一個から始まる」という説明がある)

今後ダイバーシティ推進や女性活躍推進、働き方改革において、どのような目標を持っていらっしゃるか教えてください。

時間外労働に対する意識は高まってきていますが、持続的な効果が現れるには、いましばらく時間がかかると思います。

持続していく事は変化に向けて大切な要素なので、人事部としても着実に、確実に継続して取組んでいきたいと思っています。

そして女性活躍を起点として、だれもが働きやすい職場を目指し、障がいを持つ方、育児や介護の環境にある社員、外国籍の社員などを含めてサポートしていきたいです。

しかし、今はまだまだ道半ば。やることが沢山ありますから、定年までに出来得る限りの事を全部やり切るつもりで頑張り、定年後は、Reo社で雇ってもらえるくらいダイバーシティスキルを磨いていきたいと思います!(笑)

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